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hodos ephemera

hodosの3店舗目となるプロジェクト。

設計の検討中、hodos/experimentを経て、3店舗目はephemeraという名前にしようと考えていることを山下さんから聞いた。
この言葉をもらって、デザインが収束していったことを覚えている。

古代ギリシャ語を語源とする「ephemera」 は「短命なもの」「一時的なもの」「すぐに消えてしまうもの」を指し、
長期保存を目的としない印刷物を指す言葉としても使われている。

今回、「ephemera」という言葉と、設計対象の部屋の特性を読み解いて、大きく2つのことを考えた。

・舞台美術のように美しいハリボテを作ること。
・それらのハリボテが光や行為を反射し、1日を通して不安定な明るさやゆらぎを作り出すこと。

デザイン対象の部屋は小さなトップライトと、屋上へ続く吹き抜けと階段を持った部屋であった。これらの特性から季節/天候/時間帯によって明るさが変わり、現場確認の度に違う印象を持つ。その明るさの不均質性・不安定性と、「ephemera」という言葉が組み合わさって、今までに見たことのなかった空間体験が生まれればと考え始める。

光を反射していく素材として金属を、ベースのカラーとしては白を用い、家具と建具は舞台美術のようにすべての要素がただ置かれたように、もしくは、アウトセットした状態で設置されるようにする。また、一般的にはフェイクらしさが出るためタブーとされているが、インテリアの「表」と「裏」をはっきりと設定し、まるでハリボテのような家具や建具で空間を構成していく。この時に舞台美術のように裏表がはっきりあるが、その上で素材とディテールにこだわって、舞台装置のようで表も裏もそれぞれの美しさを持つように注力していった。

短期的な印刷物としてのephemeraもそこにはグラフィックの美しさ、短命だからこその魅力がある。その言葉に負けない不安定で美しい姿を目指した。
hodos ephemeraの空間体験が、滞在する場所や時間帯によって変わり、訪れる度に不安定な美しさを持ってほしい。

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